緊急事態宣言が解除され、再び議論が盛り上がってきた9月入学への移行案ですが、個人的には昔から9月入学案には賛成でした。ただ、現在の9月入学賛成派の「休校期間の授業の遅れを取り戻すため、また留学生を増やすためにもこの機を捉えてグローバルスタンダードである9月入学にしよう」という主張には大きな違和感を感じています。
9月入学は授業の遅れを取り戻す本質的な解決策ではない
まず、前提として我々は新型コロナウィルスと付き合っていかなくてはいけません。この自粛生活の目的は新型コロナウィルスの撲滅ではなく、治療法の確立とワクチン完成に向けての壮大な時間稼ぎです。ですので、医療崩壊を起こさない程度の新規感染者数はある程度許容しつつ経済を再開させるので、今後も第二波、第三波は必ずやってきます。その時に再び休校措置が取られる可能性もあるわけですが、その度に入学時期をずらすのでしょうか?
大切なことは、緊急事態においても安定的に学習の機会を提供することです。その点でオンライン授業をやるべき、というのが私の意見です。
世の中、多くの人がオンラインで在宅勤務しているのにも関わらず、何故公立学校においてオンライン授業できないのか、まったく理解できないですね。国が推進しているんですよね?テレワーク。家庭によってスマートフォンがない、という声もあるようですが、「ほんとに?」と思いますね。「健康で文化的な最低限度の生活」においてもスマートフォンやパソコン、インターネットが入っているわけですから、どのような家庭環境でも持っているでしょう。たとえスマートフォンを持っていない家庭があったとしても貸し出しにそんなにハードルがあるとは思えません。また、その子だけ教室で授業を受けたとしても三密にならないですし、いくらでもやり方はあるわけです。※そもそも1%のために99%を犠牲にするという公教育の考えた方もどうかと思いますが・・・
オンライン授業には、過疎地・限界集落での教育水準維持やグローバル教育など色々な可能性を秘めているので、是非推進していただきたいです。
私の考える9月入学のあり方
もともと、双方向の留学活性化が第一義的な9月入学の目的なわけですから、大学・大学院だけ9月入学にすればいいというのが、私の考えです。小学校を9月入学にしても留学生増えませんって、絶対。
3月に高校を卒業し9月に大学生になるまでの半年間を、18〜19歳が「何をすべきか」を自分で考え行動することが大切だと思います。短期留学やボランティアをするのも良いですし、学費のためにアルバイトする人もいるでしょう。見聞を広めるために旅行するのも良いですし、資格試験を狙うのもおすすめです。
※話が逸れますが、半年あれば簿記3級が取れます。BS/PLの知識はビジネスマンとして必須ですし、高校の政治経済に組み込むべきだと思っています。
子供は、学校や塾で勉強し、自身の偏差値にあった学校に行き、そして社会に出ていきます。良くも悪くもレールに乗って生きているわけです。大人でもない子供でもないこの時期に、自分自身でやりたいことを見つけて挑戦するモラトリアムがあっても良いのではと思います。
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